30Mar
今年の3月の初めに、突然息子(5歳)が「ねえ、ママ!これやりたい!!」と、小倉百人一首を携えてやってきました。
ひらがなが読めるようになった息子には、下の句の札がとても興味深かったようで、おもむろに札を床一面に並べ始めて、やる気満々。
「ちょ、ちょ、ちょ~っ!待ったぁっ!!!」
ふつうのカルタが出来るようになったものだから、これも同じようなものだと勘違いしている様子。
百人一首はちょっと違うんだよ~!と、思わず制止をかけた私。
うちでは息子が3歳くらいの時から、家族で時折「坊主めくり」をして遊んでいました。
それからすっかり埃をかぶって、私の記憶からも完全に消え去っていたんですが・・・。
そういえば、彼が4歳の頃、「ちはやふる」のアニメ版を動画サイトでいくつか一緒に観たことがあります。それも影響してるかも。(現在は映画「ちはやふる~上の句~」がヒット上映中ですね!絶対観に行かなくちゃです!!)
ひょんなことから、百人一首に向き合う羽目になったのですが、未就学児が学ぶには?と、調べているうちに、知らなかったこと、勉強になったことなど、いろいろあったので、シェアしたいと思います。
- ”ちはやふる”による様々な社会現象
- 百人一首って何歳から始められるの?やりたくなる動機って?
- 子供用の百人一首を購入すべき?
- 音読・暗唱で能力がグングン伸びる!?
”ちはやふる”による様々な社会現象
うちはまだ未就学児なので、息子の「覚えたい」宣言を受けて、調べているうちに偶然、小学校での百人一首事情を知りました。
国語の教科書でも2011年春から、伝統文化の学習に力を入れるという名目で、古典がカリキュラムに組まれ、百人一首も載るようになったのですね~。英語導入の話はよく聞きますが、恥ずかしながら古典導入のことは初耳でした。
文部科学省も教育委員会も、絶対「ちはやふる」の人気ぶりに影響受けてます・・・よね?(笑)
だいたい小学校3年~5年の教科書に掲載されているようです。学校が選んだ教科書によって、学ぶ学年は変わりますが、3年生だと26首載っているみたいです。(検索すれば、その26首のリストも出てきます。)
昔から学校でカルタ大会を開催しているところもありましたが(私の地域にはなかったです。)、カルタ大会だけでなく、「ちはやふる」が火付け役となり、全国的に競技カルタもブレイクして、学校で取り組んでいるところも増えてきているようです。
「ちやはふる」は2008年に漫画掲載がスタートしてからすでに8年目を迎えており、単行本も31巻まで刊行され、いまだ人気も衰えず幅広い世代に支持されてます。
そこへ小学校で百人一首が導入されて、さらに映画の実写版まで出たので、今まで以上に学校で盛り上がること間違いなしですね!これって結構な社会現象ですよね。
今年は映画の影響で、ちはやに憧れて百人一首を一生懸命覚えたり、大会に挑戦する女子がもっと増えるんじゃないでしょうか?恋愛中心じゃなくて、スポ根なストーリーが男子にも人気なようですし、カルタ人口が急増しそうな感じがします。
私も「ちはやふる」ファンでずっと読んでますが、漫画やアニメより実写のほうがリアルですから、かなり迫力があって、競技カルタってかっこいい!って思いました。室内スポーツですね、まさに。
小学校によっては教科書に関係なく、小1~6年まで百首覚えるように啓蒙しているところもあるようで、校内でカルタ大会を開催しているところもあれば、小学校対抗を開催している地域もあり、本当に全国的なブームが来ているのだなあと感じています。
毎年夏に、大津市の近江神宮で開かれる「全国高校小倉百人一首かるた選手権大会」は、通称「かるたの甲子園」と呼ばれています。小学生時代から、この甲子園を目指して頑張る子も増えるだろうと思います。
近年「ちはやふる」効果もあって競技かるた人口が急激に増加しているようで、年々参加校・出場者が増加し、全国各地から団体戦には53校(上海日本人学校・ワシントン日本語学校各高等部を含む)、個人戦には昨年に続き1200名近くのかるた選手が出場しました。
団体戦の予選を含めた参加校も273校を数えました。近年「ちはやふる」効果もあって、競技かるた人口が急激な増加とともに年々参加校・出場者が増加し、参加者は10年前の3倍近くになっています。
出典:http://oumijingu.org/
「ちはやふる」の影響はとてつもなく大きいですね!映画公開後は、参加者がもっと増えるかも、ですね。
百人一首がカードゲームとして遊ばれるようになったのは、室町時代からと言われており、お正月の家族遊びの定番になったのは明治時代からだそうです。
私の子供時代の昭和のお正月でも、百人一首は家族団らんのアイテムという感じでした。私の父方の祖母は毎年、子供たちを集めて元旦には必ず百人一首をしていたそうです。
祖母は私の生まれる前年に亡くなったので、私はその伝統行事に加わることは出来ず、残念に思います。
お正月に百人一首をしているご家庭は平成になるにつれて減少していたと思いますが、「ちはやふる」の影響や学校での取り組みで、また復活してくることでしょうね。
百人一首って何歳から始められるの?やりたくなる動機って?
ところでうちは息子が言い出すまで、故意にこちらから覚えさせようなどとは露にも思っていませんでしたが、「覚えたい」、と言われたら一緒に頑張るしかありません。
しかし小学生ならまだしも、息子は5歳。一体何歳くらいから百人一首って出来るものなの?という素朴な疑問がわいてきました。
何歳以上っていう指定は当然ありません。ただ幼稚園児の場合、どのくらい出来るんだろう?だいたいやっていいものなの?ってな調子で、あまり想像がつかなかったんですよね。
いろいろ調べてみて今言えること。
Q:百人一首って何歳くらいから始められますか?
A:「ひらがなが読めるようになったら何歳からでも。」(笑)
確かに札を取るわけですから、読めないとどうしようもないですよね。しかしカルタ取りをするためには読めるだけでもダメで、覚えなくちゃなりません。
「覚える」というところだけにフォーカスすれば、
A:言葉を話せるようになったら何歳からでも。
とも言えます。
覚えるだけならひらがな読めなくても耳で覚えられるので、早い段階から取り組むこともできますが、記憶力や暗唱する力ってその子によって違うなあと感じています。
息子は読み書きに対する興味が強く湧き出したころから、暗唱する力がついてきた感じがします。
もし3歳くらいにさせていたら、今のようにスイスイ覚えていける印象はないです。むしろ嫌がっただろうと思います。
なので、彼にとっては、今が適齢期なようです。それに小学生になると、お稽古事だけでなく、学校からの宿題もやってきますから、比較的、時間のある今のほうがのんびり覚えられていいかなと思います。
ただ、周りに「早期教育」とか「英才教育」と捉えられたら・・・と思うと今から取り組むことに対して、一瞬躊躇しましたが、いずれ学校の宿題として覚えるより、覚えたいという意欲のある今のほうが、子供にとっては無理がないわけです。
そう考えると、周りの目を気にする必要はないな!と気が楽になりました。
つまり、
A:興味を持つようになったら何歳からでも!
というのが正解だな、という気がします。いきなりカルタ取りから始めるわけじゃなければ、早い段階に耳から覚えてたっていいわけです。
だって2、3歳の子が覚えてスラスラいうこともありますしね~。結局のところ、強い興味を持っている時が吸収する力も一番強いですね。
とはいえ、こちらから環境を作ってあげることも大切です。与えなければ、知ることもないわけですし。うちに百人一首がなければ、息子はこの時期に覚えたい、やりたい、と言い出すこともなかったはずですから。
坊主めくりなら2~3歳くらいからでも親しむことは出来ます。うちの子供たちは二人とも3歳で坊主めくりデビューしてますが、それはそれは大好きです。(実は娘の時はすっかり忘れてましたが、息子の「百人一首やりたい気分」を損ねないために、「坊主めくり」でお茶を濁した際、娘もすっかりハマってしまいました。)
息子がいま、百人一首したいと言い出しているのも、ひらがなが読み書きできるようになったから、ということもありますが、過去に坊主めくりをして、とても楽しかったから、というのもあると思います。あと「ちはやふる」をちょっと観たことも。
知的玩具の引き出しにはいつも百人一首の箱が鎮座してましたから、目に留まる機会も時折あったと思います。
小さい時から百人一首をさせたいという思いがある場合、
・いつも目につくところに置いておく
・2、3歳くらいから坊主めくりで札に触れて親しみを覚えさせる
というパターンを奨励している方が多いようです。うちは狙っていたわけではないのですが、結果的にこのパターンをしっかり踏んでいました。
そうそう、百人一首の前にふつうの「いろはかるた」をやって、カルタが面白いってことを知ったことも、大きな動機になってると思います。
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子供用の百人一首を購入すべき?
子供のために、百人一首を購入するとすれば、どれを買えばいいのか?これも悩みの種ですよね~。
うちはたまたま昔から家にある古いオーソドックスな百人一首があって、子供たちともこれで遊んでいたわけですが、持っていない、という人は購入する必要がありますね。
百人一首もいろんな種類が出ていますが、一般的なのは「小倉百人一首」。絵柄や字体は好みがありますから、自分で確かめて購入されてください。
一番スタンダードなものはこれ。(そしてうちにあるのもまさにこれだったりする。笑)
1980年代に、学校の先生が考案して、小中学生向けに作られた「五色百人一首」というのもあって、20首ごとに色分けして、短い時間でも楽しく遊べるように工夫されています。このタイプを使用している小学校も多いようですね。
いろんな会社が出しているようですが、小学校で使用されるのは、大抵、東京教育技術研究所のもののようです。(学校によっては違うのもあるので、購入の際にはご注意を。)
出典:http://www.tiotoss.jp/
※他サイトでも紹介されていましたが、わざわざ新たに買いなおさなくても、持っている札にカラーシールを貼ったりして代用することも可です。
小学生から初めて取り組む場合は、ドラえもんやちびまる子ちゃんのようなキャラものや、漫画チックな絵だと親しみがわいて、とっつきやすいと好評です。特に興味もないのに、授業や宿題でやらざるを得ない、という場合にはかなり有効な手段ですよね。
また、大人な内容の句も、さらっと子供向けに解説してくれるのも良いところ。
ただ、幼児の場合はノーマルな小倉百人一首でも、こんなもんだと思って好き嫌いを示さないので、わざわざ子供向けのを買わなくてもいいかなと思っています。絵柄を比較して見せれば、そりゃ間違いなくかわいいほうを選ぶでしょうけど。
今は絵よりひらがなに興味があるので、そこに重きを置く必要性がないのです。耳で聞いて覚えていますし。意味を理解する必要もない時代ですから。伝統的な絵柄に親しませる、という意味でも、うちの場合、子供専用品は準備していません。
かといって、必要ない、とも言いません。お子様の性格と、親御さんの趣向・方針によって決めたらよいと思います。
音読・暗唱で能力がグングン伸びる!?
強制的に覚えさせるのはNGですが、本人が進んで覚えたい、というのであれば、上手にサポートしてあげる必要があるな、と感じています。
百首覚えたいというなら、挑戦させてあげてもいいし、少しの札で一緒にカルタがやりたい、というなら、教科書に載っている26首を優先的に暗唱できるようにしてもいいかもしれません。もちろんスタンダードに最初から順番に覚えてもいいですし。
いまはNHK教育で「にほんごであそぼ」を幼い頃から観ている子も多いと思います。うちもそうです。なので、古典に対して大きな抵抗がないように思います。
小さければ小さいほど、どうしてこういう言い回しをするのか、この句の意味は?など深く考えることがありません。ただひたすらにあるがまま覚えます。
一番最初は、意味が理解できないだろうと、百人一首のまんが版を読んで説明してあげていましたが、昔の時代のことで子供には抽象的すぎます。しかも、ざざっと本を読むとこの内容はまだ理解するには早すぎる・・・というのも多く、句の意味をいま知る必要があるのかな?と疑問が生じてすぐにやめました。
でも、これといった指針もなく、どうしたものかと悩んでいたところ、「奇跡の百人一首」杉田久信・著という書籍を見つけました。表紙はあまりイケてませんが(笑)、内容はとてもよかったです!
10首ごとに色分けされており、字体も大きく、ふりがなもあり、上の句の裏のページに下の句がある、という工夫がされていています。
子供でも読めるし、色別に頭に入ってくるところも良いと思いました。また巻末に一覧表もあれば、暗唱練習表もあり、文庫本で携帯しやすいというメリットがあったので購入しました。
特に「能力をあげたい」という目的で買ったわけではありませんでしたが、なるほど!と非常に納得のいく内容が多く、子供と一緒に覚える方法など、指導法がたくさん載っており、小さいお子さんを持つ親御さんで、百人一首をさせたいとお考えの方にはおすすめの一冊です。
むしろ私が能力あげたいわ、と勇んで覚え始めました(笑)
乳幼児は意味もわからず言葉を真似しているだけで、自然に言葉の意味を理解し、言葉と言葉を結びつけて創造的に言葉を使いこなしていきますが、この驚くべき能力が、海馬の自動処理機能です。
(中略)
反復徹底学習は、海馬の自動処理機能を引き出す学習法です。それは、反復によって「できる」を先にして、意味の理解を後にする方法です。つまり、「わかる」から「できる」ではなく、「できる」から「わかる」への学習。百人一首は、その典型的学習なのです。
江戸時代の寺子屋で行われていた論語など、”四書五経”の素読も、暗唱できるまで、ひたすら棒読みをするだけで、その意味は教えられなかったといいます。
急いで意味を求めず、言葉そのものを繰り返し心に刻みつけておいてこそ、将来生きた日本語として育っていくのです。人間の最初の学習は「できる」が先で「わかる」が後です。それは、乳幼児は言葉の意味が後からわかるという事実を指しています。このことからも、後から「わかる」のは決して特殊なことではなく、むしろ理解の基本形なのです。
言語の習得というのは、確かにそういうものですね。非常に説得力がありました。
全然しゃべれなかった赤ちゃんが喃語を話すようになり、そのうち単語を言い出すようになり、2,3歳の子供が語彙が少なくとも、自分の気持ちを大人と同じように表現できるようになる様は、本当に神秘的ですよね。
幼児の場合、今の時点で「わかる」必要はなく、まずは繰り返し、繰り返し暗唱する、それだけでいいのだな、と思います。
年齢があがるにつれて、その意味をだんだん理解し、中学生、高校生になると、当時の歌人が読んだ時と同じ感情を共感できるようになることでしょう。
日本史を学ぶ時や、古典・古文を学ぶ時にも必ず役に立ちます。学んで損することは全くないです。それに今から1000年以上前に詠まれた歌を、今の世でも子供たちが受け継いでいる、というのは、とても幸せなことだと思います。
ちなみに私は学生時代に学校で100首暗記したり、大会が開催される機会はなかった口です。小さい頃、お正月に数回やった記憶がかすかにありますが。どちらかというと大人がやっているのを眺めて、子供チームは坊主めくりをやった、という感じです。
なので、私は今頃になって、子供と一緒に覚えているところです。小さい頃からしっかり覚えていれば、人生はもう少し豊かだっただろうな、と思います。私が風呂の中で諳んじているところをずっと耳にしているので、息子も耳で覚えています。
最初の五枚を札を読みながら覚えようとしましたが、なにしろ濁点なしで、読み方も違うものがありますから、ちょっと時間がかかっていました。今は、私が覚えれば覚えるほど、対抗意識を燃やしてくるので、あまり手がかかっていません。
まとめ
「覚えたい」宣言から、息子は2週間くらいで6首覚えました。彼は神童じゃないし、ごく平均的な子供ですから、これは普通の記憶力だと思います。私は今のところ30首。料理を作りながら、風呂に入りながらブツブツ言ってる程度です。100首はあくまでも最終目標。
今はひとまず10首覚えて、10枚でカルタ取りが出来るようになって、その楽しさを子供が覚えてくれたらと願っています。来年の百人一首では20枚で勝負できたら御の字かしら、と思っています。
10枚で十分出来るようになったら、もっと数を増やしたい、と思うようになるはずです。きっと彼なら。(笑)
そしたらまた10枚覚えて・・・というようにしていこうと思います。いずれ五色百人一首でやりたいと考えてらっしゃる方なら、そちらの色分けした札で覚えていったほうがいいですね。(通常の百人一首とは順番が異なり、ランダムに振り分けられているため。)
競技カルタは、決まり字とかルールなど覚えなければならないことが別にいろいろとあります。それは小学校に入ってからで十分だと思っています。未就学児の間は「できる」が先の学習方法で、ただひたすらに、ゲーム感覚で楽しく覚えてほしいものです。
息子は現在、自分の「子ども手帳」に、暗記練習表を挟んで、覚えた句には赤で○をつけています。またファイルに覚えたい札を挟んで、取り出して眺めたりもしています。(子ども手帳に興味のある方は、子ども手帳の作り方!あな吉手帳術やほぼ日手帳もヒントに!もご覧ください。)
来年のお正月がちょっと楽しみになってきました。
百人一首を親子で一緒に覚えたい、という方のお役に少しでも立てたなら幸いです。
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コメント
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コメント (2)
コメント失礼いたします!
うちは女の子ですが、5歳で百首暗記しましたよ〜!方法はやはり、五色を使って一色ずつでした☆
集中力つきますね!読み始めると目つきが変わります。他のことはてんでダメですが…
うちも、かるたがいつも目につく場所に置いてあって、自然と興味を持ったって感じです。
ただ、福岡なのであまりかるたは盛んではないです。かるた会に入れたくても難しいのが現状ですね〜
ほっしー様
コメントありがとうございます!
5歳で全暗記とは!!!いいですね~~~!!こうなったら、クイーン目指してください(笑)
私も実は福岡出身なんです(笑)
なんでしょうね?ほんと、昔からそんなに盛んじゃなかったですよね??
今は東京ですが、こっちは昔から結構小学校でも盛んなようですよ。
ちなみにうちの子は結局10首くらいで挫折しちゃいましたよ~。負けず嫌いの性格が災いして、私がどんどん覚えて暗唱していたら、ちょっと劣等感が芽生えたようです・・・。
せっかくだからと5人一首をしたらうまく取れずに泣いてしまい、トラウマになってはいけないと思って、そのままフェイドアウトしておりました・・・。
そんなこともあって、つい気を使ってしまい、今年の正月は坊主めくりにしておきました(笑)
しかしあれから半年以上経っているし、ゲームで負けても泣かなくなったので(かわりに娘が泣くようになってしまいましたが 笑)、今年はまた一緒に暗記に再挑戦してみようかなと思います!!