5Aug
私の最近までの楽しみはNHK「ふるカフェ系ハルさんの休日」を観ることだったんですが、少し前に放映された「千葉・茂原編」の回で紹介された古民家の柱がベンガラと柿渋で塗装されている、というシーンがありました。
おお、なんだ、なんだ、このベンガラっていうのは?!とすごく興味が沸いて、検索してみると、塗装だけでなく、ベンガラ染めというものもあることを偶然に発見!
これが私の初めての弁柄(ベンガラ)との出会いでした。なにしろ自然素材である上に、水を使う量も少なく、究極のエコ染料である、ということが判明。
ベンガラ染めをした服や布をみると、なんともいえない優しい色合いで、すっかり一目惚れしてしまいました。
今回はこのベンガラ染めの歴史や染め方、出来上がった作品などをご紹介したいと思います!
- 究極のエコ染料”ベンガラ”ってどんなもの?
- 準備も作業も超簡単!子供でもスピード完成!
- にじみ絵のような和風テイストの美しい作品に!
究極のエコ染料”ベンガラ”ってどんなもの?
調べてみたところ、私の認識では、ベンガラ泥染めを販売している会社はわずかです。今回は、「古色の美」を登録商標しているナカジマ株式会社さんの商品を購入しました。
そもそもベンガラってなに?って話なのですが。「古色の美」を販売しているナカジマ株式会社さんのインタビュー記事があったので抜粋して紹介いたします。
「べんがら」は簡単に言えば酸化鉄を含んだ土です。
これを家の柱などに塗ります。昔の家は今のように白木のまま使うことはなく、べんがらを塗って色をつけるのが普通でした。
これは、デザイン的な意味もありますが、べんがらの防虫効果を活用してシロアリ被害を防ぐ目的が大きかったようです。
ちなみに東北地方ではべんがら塗りが少ない傾向にあります。囲炉裏の煙による防虫効果が働いて、べんがら塗りが不要だったからです。
家塗りの需要は徐々になくなってきました。家塗りが必要な家屋が減ってきたのもありますが、神戸の震災で建築基準法が変わったのが大きかったですね。
防虫剤クレオソート(ホルムアルデヒド)でないと、だめな時期もあり、べんがらは工業製品ではないので、防虫材としては、正式に認められず使ってもらえなかったのです。
さらにローンを組むための基準で建材の指定もあり、べんがらは使われなくなりました。
乾燥に時間がかかるべんがらを使うとどうしても工期が長くなってしまって、入居に間に合わないという問題もありました。
現在の売り上げ比は、建物3:べんがら粉7という感じです。
べんがら染めは化学物質を含まない上に、常温の水にべんがら粉を溶かすだけで使えるので、化学染料のように水を煮沸させるエネルギーも使いません。
さらには、排水も出さないので環境にも優しいです。
バケツ一つあれば染められるので、絞り染めなどが手軽にできて、世界で一つだけのTシャツやスカーフを染められると好評なんですよ。
参照:http://bmb.oidc.jp/article.php/20101202164354694
ベンガラは、こんな時代の流れに翻弄されながら、現在の形に至ったわけですが、自然派エコ市民の心をくすぐるのは以下の5点といえるでしょう。
①化学物質を含まない
②常温の水にべんがら粉を溶かすだけで使える
③化学染料のように水を煮沸させるエネルギーを使わない
④排水を出さないので環境にも優しい
⑤バケツ一つあれば染められる
ということで、流行に敏感な自然派エコ市民の間では、すでに人気のワークショップのようです。
なにしろ色合いが目に優しい!そして日本の侘び寂びテイストが効いていて、東南アジアの目の覚めるようなダイ染めとは違う味があるのも新鮮。
様々な色を開発して、現在24色がラインナップされています。ホワイトや藍錠染めも販売しているので、自分で調合して好みの色合いに替えることも可能です。
全ての色を試してみたいものの、予算に限りもありますし、染め上げたものを全色拝見したわけでもないので、今回はとりあえずスタンダードなベーシックセットを購入してみました。それがこちら。
実際使ってみると、けっこう渋い色合いが多いので、子供たちが染めるには、春色セットを選んであげたほうがよかったかもと思ったり。
息子は青が好きだし、夏には涼し気な色合いもほしいと思うので、いつか藍とベンガラ重ね染めセットも買おうかな~と思ったりしています。
準備も作業も超簡単!子供でもスピード完成!
今年は夏休みのアクティビティの一環として、草木染めなんかも子供たちとやってみたいと思っていますが、化学染料同様、手間がかかる。
しかしこのべんがら染めなら準備も作業も超簡単!必要なのは水だけだから、あっという間に出来てしまう!!下染めの作業から準備、出来上がりまででも、30分もかかっていません。
3歳の娘でもげーじゅつ作品が出来てしまいました!!
下染め剤というのも販売しておりますので、これは購入しておいたほうがよいです。下染め剤を使わないともっと淡い色合いになるようです。
まずは説明書通り、この下染液を入れた水に生地を浸します。
うちはちょうど無蛍光のさらしを反物買いしていたので、それを使いました。
それから好きな色のベンガラ泥染めの液を容器に入れて、説明書に従って水を足します。
すぐ落ちるから別にいいかなと思って、最初は白磁の皿で染めてたんですが、洗うのが予想以上に大変だったので(溝の部分が落ちにくかった。染め専用容器なら気にしなくてもよいかも。)途中からステンレスものに替えました。
こんな感じで何色も染めていけます。液に水の量をどのくらい足すかで濃淡の差が出ます。これは茜色と鬱金(うこん)色です。
絞り染めにしたんですが、娘が染め終わってピンポン玉を外そうとしているところ。
お皿の上でやってほしかったのに、いきなりテーブル上で始めてしまった。まあほとんど汚れませんが、やってみようという方は、最初に新聞紙などを敷いておきましょう・・・。
あとは、水でしっかり洗い流して干したら完成!
幼児には絞り染めが一番易しいのですが、他には板染めや型染めもあります。どちらも専用の道具が必要ですが、工夫すれば自作でもうまく出来るのかもしれません。
まだそこまでツッコんでやってませんが、いつか挑戦したいです♪
にじみ絵のような和風テイストの美しい作品に!
3歳の娘の出来上がった作品がこちら。適当に作ったのにも関わらず(いや、本人は真剣にやってましたが。)、アーティスティック!!にじみ絵みたいですね。
6歳の息子の作品はこちら。折り目がついてお見苦しいですが・・・。上の二色に古色という色を入れています。もっと青っぽいのかとみんな思っていたのに、実際にはほとんど濃いグレーというか黒って感じでした。濡れるとより黒が強く出ます。
息子が言うには「夜空に打ちあがった花火」なんだそうで~。まあ男の子だからこれはこれで渋くていいかな(笑)
私の作品はこちらです。上記の二色に弁柄色を加えたものです。これももっと赤っぽいかと思いきや、ほとんど紫っていう感じで綺麗です!なんだか岩崎ちひろテイストな色彩感になったのがちょっとうれしい。
とりあえず、長さは90㎝と、てぬぐいと同じサイズで作ったので、それぞれ世界に一つしかない、オリジナルてぬぐいってところです。(生地に鼻をつけると、かすかにですが独特な香りがあるので、敏感な人はちょっとだけ気になるかもしれません。最初にご確認くださいね。)
なんともいえない味わい深~い色合いになるので、次回は洋服なんかにも試してみたいなと思いました。自分で生地を染めて、洋服作るっていうのもいいですね!
こんな色合い、夏にピッタリじゃないですか?
参照:http://www.haconiwa-mag.com/magazine/2016/07/bengara/
手ぬぐいの半分の長さの45センチものも作りました。
日差しが強くなったのに、娘の帽子を忘れてきたので、バッグに忍ばせておいたミニ手ぬぐいを即席で三角巾にして被らせておきました。(他の人が映ってない写真がこれしかなかったので、変なアングルですみません。。。)
これは生地をたたんで、適当にゴムでしばって染めたもの。なかなかいい味だしてます~。にんじんの種を撒いている最中です(笑)
まとめ
「さらしの抱っこ紐」は講座で準備していただいていたのが、化学染料だったというのもあり(現在はべんがら染めで指導されているようです。やはりエコに敏感な方は早いですね!)、それを使って染めました。(参照:さらしの抱っこ紐の作り方!使用時の大切なポイントとは?)
その時初めてダイ染めをしたんですが、色鮮やかで素敵だなと思いつつ、面倒な工程が多い&ケミカルなものを扱っている抵抗感というものがありました。
草木染めはもっと大変そうだなあと思って、そのときはやりませんでしたが、もし当時ベンガラ染めを知っていたら、間違いなくこれで染めてたと思います!!
自然素材で染めるっていう方法は、やはり沸騰させたりしないといけないという点では化学染料と同じですが、粉をパ~ッと入れるだけっていうわけにはいかないので、当時の私には余裕がなくて出来ませんでした。
それに比べて、ベンガラ染めはあまりにも簡単で、火も使わない上に、自然素材であっという間に出来るので、子供でも気軽に作れちゃうところが最大の魅力だと思います。
興味が沸いたら、是非挑戦してみてくださいね!素敵な作品が必ず出来ますよ!!
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