8Dec
「”頭の良い子”が育つ」、というタイトルの子育て本、雑誌が毎年たくさん刊行されますが、その中に登場してくるアイテムの一つに「図鑑」というのが、よく共通して出てきます。
しかしながらうちは現在、宇宙と恐竜の図鑑が1冊ずつあるだけ。普段から図書館でしょっちゅういろんな図鑑や、図鑑っぽい絵本を借りて読んでいるので、今はそれでもいいかなと思っていました。
しかし、ある書籍の中に、「できるだけ低年齢の時からあるほうが良い」、と書いてあり、一瞬、やはりズラリと買い揃えるべき??と悩んでしまいました。
しかし、その時、モンテッソーリの理念を思い起こしてみました。そして「私は成績がいい、という意味での頭の良い子を育てたいのか??」と自分に問いかけました。
そうではないです。
確かに図鑑を読めば、たくさんの知識を得ることができます。子供たちは本好きなので、新品の図鑑が本棚にズラリと並べば、しばらくは食いつくように読むと思います。
しかしそれだけは足りません。漠然とした言い方になりますが、そこから生きる喜びを見出して欲しいのです。
図鑑は二次元の世界。その前に、モンテッソーリ教育は常に三次元のもの、すなわち具体(教具)から始まるわけですから、図鑑に先立つ教具を準備しなくちゃ!って、立ち上がりました。
今回は「太陽系」に焦点をあててキットを作ってみましたので、シェアしたいと思います!
(※なお、こちらはモンテッソーリの正式教具の模倣ではなく、あくまで個人発想のものです。)
- 宇宙から始まるモンテッソーリ教育
- 太陽系キットの作り方
- カラーグレーディングの実践
宇宙から始まるモンテッソーリ教育
通常の教育は、身近なところから始まって、だんだん広い世界へと進んでいくのですが、モンテッソーリ教育の特徴の一つは、広い世界の学びから始まって、足元の世界まで降りてくることです。
とあるブログで、イタリア在住のお母様が、実際にモンテッソーリ協会のセミナーに参加された体験談を綴ってらっしゃいます。
身近なものから遠くのものへ行く教育方法ではなく、宇宙から始まる教育方法がモンテッソーリ教育の小学校課程では重要という事なのです。
なぜ宇宙から始まるのか?なぜ子供達の身近なものからではないのか?と質問すると、「子供達に小さな枠を与えないため。宇宙から始まる事によって、子供達の興味はまさに無限大に広がって行く訳です。子供達に制限された枠ではなくて、一番大きな枠を与えるため。」その答えに感動しました。
出典:http://fanblogs.jp
うちの場合ですと、宇宙→銀河→天の川銀河→太陽系→地球→日本→都道府県→○○市→○○町
っていうことになるわけですね。うん、確かにスケールでかいです!
日本語でも「大局を見極める」という言葉がありますよね。そういった思考を養う力にも結びついていくのだと思います。
モンテッソーリの学校では、宇宙教育が1年生から始まります。
うちの息子は来年一年生ですが、モンテの学校には行けないし、小学校が始まるとその環境に慣れることにエネルギーを使うことになると思うので、まだ空っぽな状態の今のうちに、少しずつ宇宙教育を進めてみようと思っています。
以前「子供の絵本の読み聞かせ:モンテッソーリ教育的に読む方法とは?」という記事の中で、
具体物(あるいは本物)→絵本→本物(原体験)→具体物→絵本
という順序で繰り返し読むと、平坦な知識から生きた情報として脳裏に刻まれるということをお伝えしました。
図鑑や絵本を揃えることも大切ですが、その前に、五感で感じられる世界は、できる限り多く体験させてあげることが大切だと感じています。
宇宙に関していえば、すでにプラネタリウムは数回体験済み、今年の夏は天体観測で月や木星、土星も見ました。
やはり、肉眼で月のクレーターが見えたり、木星の縞々や、土星の輪っかが見えると、すご~い!って感動がありました。
天体望遠鏡は、宇宙の「本物」に触れる素敵なアイテムですよ!
うちのは土星までしか見れませんが、欲を言えば、モンテッソーリ的には、やはり銀河まで見えるのがほしいな~と思ってしまいます。。。
子供たちは望遠鏡で月や惑星を見るようになってから、もっと宇宙に親しみを持つようになり、トトロの「♪まっくろくーろすけ、でっておいで~~!」のようなノリで、
「♪すーい、きん、ち、か、もっく、どってんかーい!」
とよく歌うようになりました。
今回の私のミッションは、この知識を具体物にリンクさせていくことです・・・!!
太陽系キットの作り方
銀河についてはそれほど詳しくないため、正しい提示が出来ないと思い、まずは太陽系からスタートしました。
(ビッグバンの提示については、まだ私が勉強不足なので、春休みあたりに挑戦したいと思っています。)
太陽系を具体で学ぶためには、完璧なフォルムのソーラーシステムキットが手元にあればベストなのでしょうが、手作りの教具(フィギュア)でも学べることはたくさんあります。
まずは、なにで作るか?ということを考えました。
わりと大きなボール状になるので、落としても割れにくく、軽い素材がいいと思ったので、「木粉粘土」を使いました。
100均で売っているエコタイプの粘土です。
普通の粘土よりは粘性が低いので、表面をつるつるにはできませんでしたが、子供にも扱いやすい安心できる素材なのでよかったです。
重要なポイントは「子供の好奇心を呼び覚ますこと」です!
材料と図鑑をポンと与えて、「これを作ってごらん」なんて言っては、やらされている感満載ですからね・・・!
ここは子供の性格をよく見抜いて進める必要があります。子供の好奇心をくすぐられるポイントは各々違いますので、各家庭で工夫されるとよいと思います。
うちの場合、まずは大きな木星から海王星まではすぐに乾燥しないので事前に準備しておきました。すると「これなに?!」と興味津々。
「いま惑星作ってるの~。乾かしてるから、触らないようにね!乾いたら触ってもいいからね~~。」とおあずけ状態にしときました。
「え?わくせい?わくせいってなに?!」もう好奇心に火がついて質問攻めです(笑)
そしてある日息子がいる時に、そばで図鑑を見ながらおもむろに球体を並べました。
すると、息子は「え?なになに?それ、なにやってるの?!」と、計算どおり目を光らせて、魚のように食いついてきました(笑)
「実はこの太陽系を作ってるところなんだけど、これから水星から火星まで作るところなんだよね。作ってみたい?」と聞くと、「作る、作る~~~~!!!」と叫んで、速攻で取り組みました。(全部作ってみたい子は、木星以降もトライさせてもいいと思います。)
最近息子はミニトマトを使ってサイズのグレーディングをしたので、絵本図鑑を見ながら、比較して水星から火星まで作るのは、さほど難しいことではありません。
天王星と海王星のサイズの差はわずかなのですが、じっと見比べて、どちらが大きいかきちんと判断して並べることができました。
色のない状態だと、微妙な大きさの違いは伝わりにくいのですが、実際には、目でわかる範囲で差があります。
また、水星と火星はどちらが大きいか、金星と地球はどちらが大きいか、ということを考えさせると、僅かな差をつけてサイズを変えることができました。
多少のいびつさはご愛敬(笑) 普通の粘土より扱いにくいのに、一生懸命丸めてくれました。
カラーグレーディングの実践
そして、ここからが子供たちのメインのお仕事!グレーディングで鋭くなった色への感性(モンテッソーリ教育:自然素材を使った「感覚教育」参照)をここで生かしてみておくれ!と色塗りのお仕事を与えてみました。
実際、絵本や図鑑にある色は本当なのか?っていうのが、水星、金星、火星でした。実際の写真をネットで確認したり、調べたりすると違うんです。
例えば水星だと赤味がかった灰色だったり、と、図鑑のもの(古い本だからかもしれませんが・・・。)とは色味が違ったりして、あれ?!ってこともありました。
子供と一緒に実際の写真と絵本を見比べて、最初のうちは、私が色を作ってあげていましたが、途中からは本人に任せました。
集中して塗っています。これは地球を塗っているところ。子供たちにはたまらなく楽しいアクティビティです。
水彩絵の具がなかったので、アクリル絵の具を使いましたが、塗りやすく色も鮮やかなのでお薦めです。
娘は小さな火星を塗ってくれました。(作業服なので、お古を着てます。お見苦しくてすみません・・・。)
木星は横縞模様があって、難易度があがるので、最初の真ん中のラインだけひいてあげて、そこを基準にしてぐるぐる色を塗っていくように指示しました。いろんな色が混ざって複雑なデザインですが、絵をいっしょうけんめい観察しながら仕上げていきました。
一番悩んだのが土星。土星の環を一体どうしようかと考え込みました。
粘土で作ると、落とした時に環が壊れやすいし、落とさなくても割れやすい。
なにで環を作ればいいんだろう・・・とあれこれ考えて、フェルトに落ち着きました。
塗る前に、試しにスポッとかぶせてみてら、それらしき雰囲気が出ましたよ!
色の塗り方は木星に準じてやればいいので、土星は最初から一人で塗らせました。
横からみるとこんな感じ。
太陽系の完成!(って、まだ太陽は作っていませんけどね。)
木星は本人が真剣に観察して塗ったものなので、敢えて修正加えていません(笑)
あと、金星はもう少しオレンジを加えてもよかったかも・・・。
この中で、地球と、天王星、海王星は青いです。しかし青さに違いがあります。その差をどうつけるかも工夫しました。
息子にとって、カラーグレーディングの実践になりました。
この粘土は軽いので、将来的にはモビールにして、公転できるようにしてもいいかなあと、ぼんやり考えています。
黒いフェルトに白ペンで軌道を描いて、惑星を置いてみるのもいいですね。
材料費は、木粉粘土を4つ、黒いフェルト1枚でワンコイン制作でした。茶色のフェルトは自前。
息子が作った、この太陽系キット。教具としては、美しさ、完全さという点で落第ですし、子供が作った時点で教具じゃなくて、フィギュアになってしまったものの、自分で作ったものは、生きた情報として、しっかり頭に焼き付くので、これでよかったと思います。
この太陽系を作ったことで、息子は、水星から海王星までの正式な名前も言えるようになりました。自分で作ったものの名前はちゃんと言いたいですもんね(笑)
そして、月は惑星ではなく、地球の周りをまわる「衛星」であることも、視覚で理解できたようです。
距離感については、先日天文台に行って実際に体験してきたので、また別の記事で紹介したいと思います!
まとめ
正直なところ、私は小学生以降のモンテッソーリ教育については、まだ正式に学んでいないので、全体像を完全に、正確に捉えているわけではありません。
しかし、子供はどんどん大きくなっていきますし、待ってはくれません。
ある一部の要素しか提供できないとしても、できる限りモンテッソーリ教育の良いところを子供たちに与えたいと願っています。(そんなわけで「モンテッソーリ的子育て」を目指しています!)
次回は太陽の大きさってどのくらいなのか?ってことを一緒に考えてみたいと思っています。
具体で作るか、絵で描いてみるか、どうやって表現しようかって考えるだけでワクワクしてきていますよ!
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